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オールスター(1917年)

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スニーカー史というものを語る上で、欠かすことのできないスニーカーがコンバース”キャンパスオールスター”であるということは不変の事実である。 そう言える理由は初リリースされたのが”1917年”ということ。当時の世界情勢は第一次世界大戦の真っ只中ということなので驚くばかりである。

スニーカーにも、もちろん流行り廃りがあり新しいものが出ては消えていき、そしてまた新しいものが出ては消えていく。その繰り返しのサイクルがある中で、このキャンパスオールスターに関しては発売から現在に至るまで”約100年”もの間、その存在感は変わることなく、時代がいくら変わろうとも世界中で愛され続けている、”スニーカー界のレジェンド”と言っても過言ではない。

1947年の広告/ No,1 BASKETBALL SHOESと書いており、当時のコンバースの凄さがわかる

 驚くべきことに、発売された当時のキャンパスオールスターと現行のものを比べても、見た目というものの変化はないことに気づく、それほどに1917年に初リリースされた当時のシルエットが、誰の目から見てもいつの時代の人が見ても究極に完成されたものであるということがわかる。

 今でこそこのスニーカーの名前は”オールスター”であるが、発売された当時はこのスニーカーの”アウトソールのこと”をオールスターと呼んでおり、オールスターソールを搭載したスニーカーのことを言っていた。ナイキ (since1971) で例えると、エアフォース1(1982年のソール部分にある”エア”のことを話していたが、いつしかそのスニーカー自体の名前がエアフォース1からエアになったような感じである。


オールスターの特徴的な部分で、本体の内側、側面部分にブランドロゴをあしらったアンクルパッチがある。これは一見デザイン的に取り付けられているようだが、本来の目的は”選手たちのくるぶしを保護するため”という、なんともバスケットシューズらしい機能的な理由から”外側にではなく内側部分”に取り付けられている。 しかし現在でのアンクルパッチの存在意味としては、当時の機能的な理由とは違いデザイン的な要素を含む意味合いの方が強くなっていることは確かである。

image from/converse.co.jp

現在ではハイカットと同じく人気があるローカットのキャンパスオールスターだが、発売された当初にローカットバージョンは無く、リリースされるのはハイカットが発売された1917年から40年後の”1957年”であった。 

キャンパスオールスターのローカットのこと”OX(オックス)”と呼ぶが、これは”オックスフォード”を略したもので、その由来は、オックスフォード大学の学生たちの間で17世期ごろから履かれていた紐で結ぶタイプの革靴のことを指すヨーロッパでの呼び名からきている。


1960年代のNBA選手たちのほとんどがコンバースのシューズを履いており、データによればその市場独占率は驚異の90%だという。

足元を見ると見事にコンバースばかりである。

 


 バスケットボール市場を独占していたオールスターだが、1968年開催のメキシコオリンピックを境に、アディダス (since1948)などの競合他社が市場に参入してきたことによって変化を強いられることとなる。 その変化というのが”アッパーのレザー化”である。アディダスがリリースした”スーパースター (1970年)のように、それまでのキャンパス地よりも耐久性に優れていたレザーをアッパーに使用したバスケットシューズに人気がで始めたのである。

これに対抗するためコンバースは急ピッチで”レザーオールスター”(通称ジャックスタ)を製造することとなる。耐久性に優れたレザー製のシューズは当然のようにNBA選手たちの間で広がっていき、ほとんどの選手の足にはレザー製のシューズが見られるようになった。


 バスケットボール市場での立場は無いに等しくなったキャンパスオールスターだったが、コート上以外でのその人気は落ちることはなく、1970年代には”ストリート”でのファッションアイテムとして市民権を得ることとなる。 

 特にカリフォルニアなどのアメリカ西海岸を中心に、スケーターやサーファーなどサブカルチャーを愛する人々の間で人気が高まり、そこから現在まで続くストリートシーンにおける定番スニーカーの地位を築くこととなる。

スーパースター (1970年)

 

コンバースの始まり(since1908)

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