エアフォース1(1982年)、エアジョーダンシリーズ、コルテッツ (1972年)、ワッフルレーサー、エアマックスシリーズなど、ブランドのスニーカーを挙げるとするならばキリがないほど数多くの名作スニーカーを世に送り出し続けているナイキ。
ナイキブランドとしてのデビューは1971年、オレゴン大学の陸上部コーチである”ビル・バウワーマン”と、バウワーマンの元教え子で中距離走選手だったフィリップ・ナイト” の二人によって始まった。
ナイキとして世に出る前の1964年、先生と元教え子という関係ながら、二人の共同出資によって設立されたブルーリボンスポーツ(BRS)社があったことも、ナイキのルーツを知る上では忘れてはならない。
このブルーリボンは、元はというと日本のブランドであるオニツカタイガー(現アシックス)のアメリカでの輸入販売をしていたことで有名である。 ブルーリボンが立ち上がる前の1962年、スタンフォードビジネススクールでMBAを取得したエリートで、1960年代当時陸上用のシューズの圧倒的シェアを誇っていたアディダス (since1948)に立ち向かって行くという野望を抱いていた、後のナイキ創業者フィルナイトが神戸を訪れた際に、オニツカタイガーの高品質で低価格な商品を気に入りアメリカでの販売権を獲得したことがきっかけである。
ナイキと聞いた時、誰もが頭に思い浮かぶシンボルロゴ ”SWOOSH(スウォッシュ)” に関しては、ビルバウワーマンとフィリップナイトがデザインしたものではなく、大学でグラフィックデサインを専攻していた学生”キャロライン・デビッドソン”によってデザインされたもので、デビッドソン自身デザインを仕事にして間もない頃ということもあり、スウォッシュのデザイン料として35ドルの請求書をフィルナイトに提出したという。
スウォッシュという呼び方は ”人が走り抜けて行く時の音” を擬音化したもので、今でこそ世界的ブランドのアイコンとして定着したスウォッシュではあるが、フィルナイト自身、発案当初は苦い顔をしていたという。
”NIKE"というブランド名の由来となったのは、ギリシャ神話に登場する”勝利の女神ニケ(NIKE)”からインスピレーションを受け、このマークがニケが翼を広げている様子と似ているということもあり正式に決まったという。
ブランドが立ち上がってから数十年が経った現在でもナイキブランドの存在感は衰えることを知らず、スニーカーだけでなくアパレルの販売に関しても、スポーツブランドながら世界でトップクラスの販売シェアを誇るブランドとして位置し続けている。