ここ数年の間にもブームが再燃し、過去の名作が次々と復刻したり
新しくコラボモデルがリリースされたりと、ナイキの人気をさらに高めることとなった”ダンク”。
このスニーカーは、現在のナイキブランドにとって1番の看板商品と言っても過言ではなく、スケートボードカルチャーが日本でも注目される様になった今、その人気はさらに熱を上げていくだろう。
このモデルはダンクというその名前からもわかるとおり、バスケットボールシューズとして1985年にリリースされた。
この1985年という年にナイキがリリースしたバスケットボールシューズで、ダンクと同じ時期にリリースされたのは歴史上最高のバスケットボールプレイヤーのシグネイチャーモデルであるエアジョーダン1
そして隠れた名作として知られている”ターミネーター”があり、この年はナイキにとって人気スニーカーの当たり年として知られている。
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ナイキの代名詞でもあるエアシステムがダンクには搭載されておらず、”ノンエアのバスケットボールシューズ” として売り出されていた。
しかし同じ時期にリリースされたエアジョーダン1のあまりの人気の高さや、1982年に発売されていたエアフォース1など、エアシステムが搭載されたモデルに押され今の様にカルト的な人気があるとは言い難いものだった。
ダンクが持つ他のモデルには無いダンクらしいポイントは何かと聞かれれば、85年当時の人たちも現在の人たちも口を揃えて”大胆なカラーリング” と答えることは間違いない。
ベーシックなデザインであるにもかかわらず、それまでの他のモデルにはなかった大胆なカラーリングで仕上げられたその姿は、スニーカーフリークスたちの好奇心をくすぐるのである。
今でこそ当たり前となっている、スニーカーのカラーに合わせて2種類のシューレースを付属させるということを初めて行ったのがダンクであることも有名である。
ダンクはノンエアを売りにしたバスケットボールシューズなのだが、実はあまり知られていないがエア搭載のダンクも存在している。
エア搭載バージョンのダンクのシュータンには”AIR”の文字が入っている。
オリジナルカラーはそのどれもが全米大学バスケットボールトーナメント出場校の中で、名門校のスクールカラーを採用しており、その中でもミシガン大学のチームカラー(イエロー・ネイビー)を模したモデルは、今でもなお特に根強い人気を誇っている。(下記写真 左列上から2番目)
ダンク発売当時の1985年のバスケットボールシューズといえば白が当たり前とされていた時代ということもあり、(実際にマイケルジョーダンとナイキは毎試合罰金を払いながら ”エアジョーダン1” を着用していた)ダンクらしい大胆で派手なカラーリングには賛成意見だけではなく、反対の意見もあったことは確かである。
ダンク自体に人気がなかった訳ではなかったが、流通量が多かったということで売れ残りが発生したモデルもありダンクの存在は消えかかろうとしていた時期もあった。
ワゴンセール品として売り出されていたダンクに目をつけたのが当時のスケーターたちである。
多くのスケーターたちにとってスニーカーは、履き潰しては新しいものを買うという消耗品でしかなかった。
そんな彼らにとって大事なことは”耐久性”と”価格”であることは間違いない。 ダンクが持つ高い耐久性やノンエアだからこそ伝わる足の感触とダンクの高いグリップ力、その全てがスケーターたちにとってはドンピシャだった。
スケボーをするのに最適なスニーカーがセールで売られているのだから目をつけないはずがなく、選ばない理由がないほどであった。
こうしてバスケットボールシューズとして誕生したスニーカーではあるが、スケートボーダーとの出会いを果たし、瞬く間にストリートカルチャーにとってなくてはならないアイコン的存在へと変わっていく。