ナイキブランドのクラシックスニーカーとして不動の人気を誇る”ブレイザー”。その人気からスポーツブランド以外のファッションブランドとのコラボやスポーツ選手とのシグネイチャーモデルが発表されるなど、言うまでもなくナイキの顔として今なお注目を集めているスニーカーである。
ブレイザーが初めて登場したのは”1972年”で、”ナイキ初のバスケットボール専用スニーカー”としてリリースされた。 バスケットボール専用スニーカーということとモデル名を聞けば気づく人もいるかと思うが、ナイキの本社があるアメリカ・オレゴン州に本拠地を構えるNBAチーム”ポートランド・トレイルブレイザーズ”からとったのがブレイザーというモデル名の由来である。
しかし発売された当時ブレイザーズの選手の中にこのスニーカーを履いている選手は誰一人としていなかったということからもわかるように、ブランド立ち上げから今に至るまでナイキブランドが他のブランドがしないような強気姿勢のプロモーションを展開していたことがうかがえる。
ブレイザーの大きな特徴というのが切りっぱなしのシュータン、そしてラバー（ゴム）ソールで、アウトソール部分には魚の骨のような模様のヘリンボーンと呼ばれているジグザグの模様が刻まれており、バスケットボール専用スニーカーらしくオンコートでの高いグリップ性を実現するために採用されている。
ファーストカラーはホワイト/ブラックのみの展開で、ホワイトのアッパーに少し太めのスウォッシュというシンプルだが確実に目を引くデザインで、現行のブレイザーにはミッドカットとローカットの２パターンでの展開だが、発売当時はハイカットもあり、３パターンでの展開だった。
現在発売されているブレイザーは「BLAZER MID 77」というモデル名であることが多く、この” 77 ” という数字は1977年に生産されていたブレイザーをベースとして作られたモデルという意味合いでつけられている。 そして「BLAZER MID 77」には、オリジナルのものを彷彿させる要素が含まれている。それは爪先部分にある補強パーツで、当時を知るスニーカへッズにはたまらない要素の一つでもある。
バスケのトップアスリート用として作られたブレイザーの強いグリップ力と、耐久性に目をつけたのがスケーターたちで、”1980年”ごろになるとスケートボードを中心としたストリートカルチャーを愛する人々の間で履かれていくこととなり、そこから今のストリートシーンにおけるアイコン的存在としての地位を築くことになる。その反対に、ブレイザーの本来の活躍の場であるバスケットボールシーンでは、”エアフォース１（1982年）”をはじめとした新世代のバスケットボールシューズが展開されたこともあり、次第にコートから姿を消していくこととなった。