アディダスフリークスの間で特に人気がありアディダス三大スニーカーと呼ばれているのが、
1970年発売の”スーパースター”、1971年発売の”スタンスミス”、そしてもう一つが同じく1970年初頭に発売された”カントリー”である。
そのトップ3にもう一つ加えるとすれば何を加えるのか?と言われた時に、多くのアディダスフリークスが声を揃えて推薦するだろうスニーカーが、今回紹介する”オフィシャル”というスニーカーである。
アディダス三大スニーカーと比べると確かに聴き馴染みのないスニーカーであることは間違いないが、その人気は確かである。
![](https://sneaker-library.com/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
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オフィシャル本来の使用目的は”スポーツの審判用”としての目的がある。
そのためにコートで目立たない様、当時のレザーシューズではかなり珍しく全体が真っ黒、そしてディテールも最小限で目立たないことに徹していることがわかる。
全体的にスタンスミスのようなデザインであり、アッパー全体はブラックで光沢感のある上質な仕上がり。
そしてスタンスミスと同じ様に、アディダスお馴染みの3本ラインはなく代わりにベンチレーション(通気口の様な穴)による仕様になっている。
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発売当時の初期モデルにはヒール部分にも、シュータン部分にもアディダスのトレフォイマークはなく極限まで無駄を削ぎ落とすことであくまで目立たない様に作られたことがわかる一足。
そしてこの審判用シューズとして開発されたスニーカーに目をつけたのが、スポーツとは関係のないオシャレを愛するファッショニスタの人たち。
目立たぬ様にという理由で使用された真っ黒なレザーだからこそ生み出せるシックなシルエットは、彼らがよく着用していたジャケットと合わせても決して見劣りしない洗練された雰囲気を出してくれることに気づいたのだ。
また、当時としても貴重な” Made in France ” という点も彼らの心を動かすことになった要素でもある。
”オフィシャル”はシューレースタイプであるが、後に発売されたベルクロバージョンもあり、”マスター”という名で発売されている。
シルエット・素材・ディティールなど全体の仕上がりはオフィシャルとマスターは同じであることから、無駄を削ぎ落とすことと当時としてはレアだったブラックのレザーを使用することで実現した、洗練された雰囲気に魅了された人がスポーツ界にもファッション界にも多くいたことを証明している。
アディダスフリークの人達の中でも、特にこの”オフィシャル”と”マスター”が好きな人は、これらのモデルを何足も履きつぶしながら、” Made in France “を探し続けている人が多い。それほどこのスニーカーには、他のスニーカーには持ち得ることができない異次元の魅力がある。