VANSは創業以来、西海岸を中心にスケートボードやBMXといったスポーツと深い関わりを持ちながら常にストリートカルチャーに影響を与え、多くの名作モデルを世に送り出してきた。 その中でも”Slip – on”というスニーカーはVANSにとって特別な存在である。
初登場したのは”1979年”で、当時カリフォルニアでスケートボードが大流行していたことと、Vansが作るスニーカーのグリップ性の高さからトリックを決めるときのボード上での安定感が増すという理由からスケートボーダー達から愛され、グリップ性の高さからペダルから足が滑りにくいという理由からBMXライダー達にも愛されるようになった。
このスリッポンはvansが誇るソールのグリップ性に加え、レースレス(靴紐がない)なので気軽に脱ぎはぎすることができ、他のvansスニーカーと違う点は裸足でも気兼ねなく履くことができることであった。
この”裸足でも履ける”というポイントがあることでサーファー達からの絶大な支持も得ることができたのがこのスリッポンである。
グリップ性の高さ、シンプルな見た目、そし着脱のしやすさ、そして履き込んでいくうちに味が出てくることもあり、当時の大流行スニーカーとして知られることとなる。
1番の定番カラーはチェッカーフラッグと言われている黒と白のチェック柄のものだが、それ以外のカラー・柄も大人気であった。
何よりスリッポンの存在を世界に認知させるきっかけとなったのは、アメリカの高校生達の青春を描いた1982年公開の映画『Fast Times At Ridgemont』の作中で、主役の”ショーン・ペン”がチェック柄のスリッポンを履いていたことによってそれまでは、スケーターやBMXライダー、サーファーといったサブカルチャーの世界では大きく認知されていたスリッポンだったが、この映画をきっかけに世界のファッション業界から認知されることとなる。
しかもチェッカーフラッグスリッポンはその映画のサウンドトラック盤のカバーを飾ったため、アメリカでの人気から少し遅れた1990年代に日本でも大流行することとなる。
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このvans Slip-onの大定番であるチェッカーフラッグ柄は一見するとインパクトがあり、コーディネートに合わせにくい感じがするが、実は他のどんなアイテムとも合わせやすいスニーカーなのである。発売から数十年が経った今でも世界には多くのチェッカーフラッグスリッポン愛好家がたくさんいることが、何よりの証拠である。