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クライド/スエード(1968年) 

60s

プーマ (since1949)を代表するスニーカーは数多くあるが、その中でも上位にくることはまず間違いないスニーカーで、今でもなお多くのファンがいるだろうモデルが今回紹介する”クライド”である。

「クライド?何だそのプーマのスニーカーは」と思われた方も多くいるだろうが、実はこのクライドというスニーカーが、後に”スエード”となり、変わらず愛され続けるプーマの代表作として、今を生きる私たちの足元で輝きを放っているのである。


このスニーカーがプーマにとって欠かすことのできないモデルであることは確かであるが、それだけではなくスニーカー界においても重要な1ページを作った一足である。 

 初めて登場したのは”1968年”に開催された”メキシコオリンピックで、その当時のアスレチック系のスニーカーのほとんどがキャンパス地で作られていた。そんな中に”スエード素材”を使用した初めてのアスレチック系スニーカーとして注目を集めることとなる。軽量なのに耐久性にも優れており、キャンパス地ではできなかったカラフルなカラーリングが可能なスエードという当時の最先端素材であったスエードということで、機能面での注目も大きかった。


このスニーカーは、スエードという名前でもなくクライドという名前でもなかった時代があり、この頃は正式なモデル名はなく、アメリカを中心としたアスリートたちのトレーニング用シューズとして履かれていた。

モデル名がなかった頃のスエード imagefrom/abc-mart.net

このシューズはバスケットボールや陸上競技にも使用され、1968年・メキシコオリンピック男子の200メートルで、このスニーカーを履いた”トミー・スミス”が当時の世界新記録を更新し、金メダルを獲得。その表彰台で履いていたスニーカーを自分の横に置き、3位のジョンカルロスとともに黒の手袋を着用した右手を拳を高く突き上げ”人種差差別への無言の抗議”を示し、スポーツシーンにとって大きな影響を与えたことで有名な場面でも登場したスニーカーとして、さらに多くの人に知られることとなる。 


このスニーカーをさらに有名にしたのが、バスケットボールプレイヤーの”ウォルト・フレージャー”というレジェンドプレイヤーで、その彼の愛称というのが、このスニーカーのモデル名となる”クライド”なのである。

彼のバスケでの功績はすざましく、二度の”NBAチャンピオンリング”を獲得し、1996年にはNBA50周年を記念して発表された、「50人の偉大な選手」にも選ばれており、しかも彼はファッションアイコンとしての一面も持っている。そんな彼が雑誌の撮影で履いたこのシューズをとても気に入り、コート上でも着用するようになる。

クライドは履き心地や機能性を自分仕様にするために、自分にぴったりの木型でシューズを作ったり細部のディテールを変えるほどに愛用することとなる。そしてプーマは”1973年”にクライドと契約をし、彼とのシグネイチャーモデルとして”プーマ・クライド”と名を変えて展開されるのである。


クライドの着用によってスポーツシーンでの地位を確立したこのスニーカーを次は”ブレイクダンサー”たちが着用し出したことによってその人気の広がりは大きくなっていく。

 そして、ブレイクダンス、DJ、グラフィックなどのポップカルチャーをテーマにした映画「BEAT STREET」(1984年)の作中で、多くの人がプーマ・クライドを着用していたことにより、ポップカルチャー界においてもその人気は不動のものとなっていく。

モデル名がなっかった頃から基本的なベースは変わることなく、小さな改良が続けられていきモデル名がクライドとなり、スポーツだけでなくポップカルチャー界にも愛され、モデル名がスエードとなった現在でもストリートの大定番アイテムとして位置付けられている。

「beat street (1984年)」
imagefrom/abc-mart.com
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